vol.60 「歯と口の健康週間」 あなたの歯ぐきは大丈夫?仕事中でもできる簡単ケア
2025.05.23成人の歯は何本ある?
成人の歯は、親知らずを除くと28本あります。
令和4年の調査※によると、40歳代では自分の歯の本数はおよそ28本、50歳代では1〜2本減り、70歳代では平均20本程度に減少しています。
むし歯(う蝕)は以前より減少していますが、歯が残っている分、30代では約4割、40代では約5割、50代では約6割の方が「歯周病(歯周ポケット4mm以上ある)」にかかっているとされています。
6月4日~10日「歯と口の健康週間」ですので、むし歯と口腔の今の歯を保つためのケア方法を、ご紹介します。
歯周病は知らないうちに進行する病気
仕事が忙しいと、つい歯みがきを適当に済ませてしまったり、歯科の定期検診を後回しにしてしまったりしがちです。
しかし、歯についた「食べかす」は口の中の細菌のエサとなり、「プラーク(歯垢)」をつくります。
「プラーク」は歯ぐきに炎症を起こし、放っておくと炎症が広がって、歯を支える骨を溶かしてしまいます。
この細菌のエサとなる「食べかす」や「プラーク」をしっかり取り除くことが、毎日の歯や歯ぐきのケアの基本です。
特に「食べかす」を取り除くことが大切で、みがき残しがあると、その部分から歯周病が進行します。
歯と歯の間や歯ぐきの境目(歯と歯ぐきの境界線)はプラークが残りやすいので、歯間ブラシやデンタルフロスなどの歯間清掃具も併用すると、歯周病リスクを下げることができます。
日々のケアの積み重ねが、将来の歯の健康を守るカギになります。
オフィスワーカーの歯周病リスクとは?
特にオフィスワーク中心の方には、次のような歯周病リスクが潜んでいます。
• 長時間のデスクワーク → 口が乾燥しやすい(唾液が減ると細菌が繁殖しやすくなる)
• コーヒーやお茶の頻繁な摂取 → 着色汚れや口臭の原因になる
• 間食の多さ → 糖分の摂取が増え、むし歯や歯周病のリスクが上がる
• 疲れやストレス → 免疫力が低下し、歯ぐきが炎症を起こしやすくなる
このような日常の些細な習慣が、知らないうちに歯周病の原因となり、気づいたときには症状が進行してしまっていることもあります。
特に、歯ぐきが腫れや、歯みがきの時に出血、口臭が気になる方は、要注意です。
仕事中にできる簡単な歯のケア
忙しいオフィスワークの中でも、少しの工夫で歯の健康を守ることができます。
• 口の乾燥を防ぐ → こまめな水分補給(水やノンシュガーのお茶がおすすめ)
• 唾液の分泌を促す → シュガーレスガムを噛む 糖分を含む間食は控えめに
• 短時間でもケアする → 歯みがきやフロス、歯間ブラシの活用
まとめ
外回りや出張などで、食事のタイミングが不規則になったり、歯みがきの時間が取りづらかったりすることはよくあります。
それでも、ちょっとした生活習慣を見直すだけで、歯や口の健康を守ることができます。
毎日のケアを習慣化し、定期的に歯科検診を受けることで、将来も健康な歯を保ちましょう。
※令和4年歯科疾患実態調査