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Vol.62 暑くなり始めが要注意!7月の急増に備え、熱中症警戒アラートで夏を乗り切る

2025.06.27

毎年、熱中症による救急搬送者数は7月に急増します。2024年の6月には搬送者数が約7,200人だったのに対し、7月は約4万3,000人と、5倍以上に増加しました。この時期は梅雨明けの蒸し暑さや急激な気温上昇により、熱中症になる方が多いと考えられています。

出典 総務省消防庁 熱中症情報

熱中症は気温だけでなく、年齢や性別、健康状態といった個人の要因や、活動内容、着ている衣服なども関係しています。これらすべてを考慮するのは難しいため、気温や湿度、気流、放射熱といった温熱環境因子を基にした「WBGT(湿球黒球温度:Wet-Bulb Globe Temperature)」が、熱中症リスクの指標として用いられるようになりました。

WBGTは、気温だけでなく湿度や日射量などを総合的に評価する指標です。WBGTが28以上になると、すべての生活活動において熱中症が発生するリスクが高まるとされ、33以上になると環境省と気象庁が「熱中症警戒アラート」を発表し、危険な暑さへの注意を促します。
このアラートは、前日の17時頃と当日の5時頃に発表され、メール配信サービスや環境省のLINE公式アカウントで受け取ることができます。なお、これは注意喚起のための情報であり、予報が変わってもアラートが取り消されることはありません。備えるための情報として活用したいものです。

朝に情報をチェックしてアラートが出ている日は、炎天下での外出を控えたり、作業時間を調整したりするのが望ましいでしょう。室内にいる場合でも、室温が高くなっていないか確認することが大切です。予定の変更が難しい場合は、こまめな水分補給や適度な休憩、涼しい場所での作業を心がけましょう。


予防ポイント1:水分摂取

一見涼しいと思えるオフィス内でも、こまめな水分補給と空調の見直しが重要です。冷房の効いた部屋では汗をかかないと感じるかもしれませんが、室温が高めで乾燥していると、知らないうちに体内の水分が失われていきます。デスクに常に水筒を置き、「喉が渇く前に飲む」「時間を決めて飲む」ことを意識しましょう。

大量の汗をかくような状況では、水分と塩分の補給が必要になりますが、オフィス内での水分補給であれば水やお茶で十分です。スポーツ飲料には糖質やアミノ酸などが含まれていますが、摂取しすぎると体脂肪として蓄積される恐れがあります。また、冷たい飲み物ばかりを摂ると、胃腸への負担がかかるという研究もあります。常温で無糖の飲み物が体への負担が少なく、おすすめです。

水分は食べ物にも含まれます。主食がご飯の場合は水分量が多く、1日あたり1リットル程度の水分を食事から摂取できると報告されています※。パンを主食とする場合、ご飯より水分量が少なくなります。夏バテで食事がとれないときは食事由来の水分摂取量が減るため、意識して水分を多めにとると良いでしょう。

予防ポイント2:室温や気温

エアコンの性能は向上していますが、すべての人が快適に感じる温度設定は難しいものです。サーキュレーターを使用して空気を循環させたり、ブラインドで直射日光を遮ったりするなど、工夫して快適な室内環境を保ちましょう。

予防ポイント3:体調管理

乳幼児や高齢者は体温調節がうまくできず、熱中症になりやすいといわれています。成人でも、下痢や高熱による脱水、食欲不振による栄養不足、寝不足など体調が悪いときには注意が必要です。体内の水分が不足すると汗が出にくくなり、体の熱をうまく逃がせなくなります。体調がすぐれないと感じたときは、特に注意を払いましょう。

予防ポイント4:行動

身体を動かすと体温が上がります。激しい運動や慣れていない作業、長時間の屋外作業は体温調整が難しくなり、熱中症のリスクを高めます。熱中症警戒アラートを参考にしながら、無理のない行動計画を立てることが重要です。

熱中症は予防することができます。
日々の指標を確認し、早めの対応を心がけて、安全に夏を過ごしましょう。

※日本人の食事摂取基準2020年
参考:熱中症予防情報サイト https://www.wbgt.env.go.jp/wbgt.php

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