Vol.64 女性同士でも話しにくい 月経のリアル
2025.07.25男女の違い、それは「子どもを産むからだ」であること。
女性は、女性ホルモンの周期による身体や心の変化があり、ライフステージごとにも妊娠・出産、更年期などいろいろな影響があります。今回はその中でも「月経」について取り上げてみたいと思います。
女性の基礎体温は排卵の後に上昇し、高温期が約2週間続いた後に再び下がります。その時に子宮内膜が剥がれ落ち、出血として体外に排出されるのが月経です。これらは一か月程度で周期的に訪れる生理現象で、一回の月経は3~7日程度続きます。
個人差はありますが、月経の期間は体の冷えや腹部の痛み、気分の波などが起こりやすく、普段と同じように過ごせない場合もあります。

月経困難症とPMS(月経前症候群)
日本産婦人科医会のHPを見ると、月経困難症は、月経がある年代の女性の25%に認め、若い女性ほど頻度が高いそうです。月経は生理現象ですが、3~4人に一人くらいが病的な症状を感じていることになります。
月経困難症は子宮筋腫など原因が明確な場合がありますが、多くは明らかな原因をみとめない「機能性月経困難症」だそうです。つらいのに、原因がわからない。デリケートな内容なので、話しにくいのも辛いです。
体調が悪い場合でも病院を受診していない人が多い、というアンケート調査※2もあり、一人で耐えている様子も伺えます。

働く女性が活躍するために
高齢化が進み、働く世代の人口が減っているため、働ける人は働くようになりました。日本の女性の労働力人口は、20~64歳では統計を取り始めた昭和43年以降、過去最高の水準だそうです。※1
真面目に、辛いときでも我慢して頑張ってしまいがちですが、体調不良の状態では仕事の効率は下がります。原因がある場合はその対応、原因が明らかではない場合でも対症療法があるかもしれません。また、割り切って休養をとって、回復してからやったほうが、スムーズに進みよいかもしれません。

働く女性が増えている今、女性の健康は国でも大きな課題と位置付けています。一般的な知識とともに、辛いときは婦人科に受診し、対処することが大切です。
良いコンディションで仕事をするために
健康な状態で仕事に従事できるように、男女ともに、女性特有の健康課題を知ることは、働きやすい職場づくりにつながることでしょう。辛いときには無理せず休む雰囲気も大切です。
厚労省で提供している、「女性の健康推進室 ヘルスケアラボ」には、Eラーニング学習教材も充実しています。PMSだけではなく乳がん検診、腰痛や頭痛、骨粗鬆症など幅広く扱っているので、まず知ることから始めませんか。
https://w-health.jp/introduction/e-learning/
※1 令和5年の働く女性の状況
※2 甲賀かをり他、令和5年度厚生労働科学研究費補助金 女性の健康の包括的支援政策研究事業 女性の健康課題に関する疫学研究 日本人女性の月経困難症・月経前症候群の罹患率と受診率と情報源に関するアンケート調査 https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/report_pdf/%E5%88%86%E6%8B%85%E7%A0%94%E7%A9%B6%E5%A0%B1%E5%91%8A%E6%9B%B8%EF%BC%9A202309005A-buntan6.pdf