Vol.69 習慣化で身体を変える スキマ運動のススメ
2025.10.10あなたは運動習慣あり?なし?
健康のために運動したほうがいいのはわかっているけれど、「実際どのくらい動けばいいの?」と迷ったことはありませんか?
1日30分の有酸素運動で心疾患や糖尿病のリスクが下がることは、欧米をはじめとする研究で明らかになっています。これに合わせて、日本では1990年代に当時の厚生省が「週2回以上・1回30分以上を1年以上継続」という条件を満たす人を「運動習慣者」と定義しました。
なぜ「週2回・30分・1年以上」なのか?
• 週2回以上:運動の効果が健康に反映される最低限の頻度とされています。週1回では効果が限定的です。
• 1回30分以上:心肺機能や代謝に効果が出やすい持続時間と考えられています。近年では「継続しなくても合計30分でも効果は同等」という知見も出てきています。
• 1年以上継続:一時的な取り組みではなく、生活習慣病予防につながる「習慣化」を重視しているためです。
運動習慣は、ハードルが高い?
最新の「国民健康・栄養調査(令和5年)」によると、運動習慣のある人の割合は男性36.2%、女性28.6%で、この10年間で男女とも有意な増減はみられていません。年齢別では、男性30歳代23.5%、女性20歳代14.5%と特に低い水準です。
働く世代の運動習慣者は、男性が20~30%、女性は20~40歳代で10%台と低い状況です。仕事や家事で忙しく、自分の時間を持ちにくい世代にとっては、習慣化はハードルが高いのかもしれません。
私個人の体験では、「暑い」、「寒い」、「雨(お天気が悪い)」というのが、運動をしない3大理由でした。また、子供が小さくて自分の時間が取れない、家族の体調不良で余裕がない等、自分ではどうにもならない理由を言われる方も多かったと思います。

「運動」と構えてしまうとプレッシャーが大きいので、ついでに、何かしながらちょっとを積み重ねて、運動習慣化を図るというのはいかがでしょうか。1日の流れの中で、何かをしながら行う運動は、タイミングが決まっているため習慣化しやすくおすすめです。
隙間時間でできる「ながら運動」のアイデア
朝:
• 歯磨き中にスクワット
出勤中:
• エレベーターではなく階段を使う
• エスカレーターではなく階段を上る
• 電車待ちの間につま先立ち→ゆっくり下ろす運動

業務中:
• デスクワーク中に座ったままかかと上げ(カーフレイズ)
• デスク下で膝伸ばし(太もも前側トレーニング)
• 椅子に座ったままお腹をへこませて呼吸(ドローイン)
• 電話中に肩回し・肩甲骨ほぐし
• コピー機を待ちながら背伸びストレッチ
• 水を取りに行くときに大股歩き
• トイレ休憩時に壁を使ったふくらはぎストレッチ

• 電子レンジ待ち時間にその場足踏み
• 昼休みに職場の周りを5分ウォーキング
• 会議室移動をわざと遠回りする
• 会議前に椅子を使ったディップス(腕の筋トレ)
• スマホを見るときに片脚後ろ蹴り(ヒップエクステンション)
• 通話中に立って片脚立ちバランス
帰宅後:
• テレビCMの間に腕立て伏せ
• 帰宅時に一駅分歩く
• 寝る前に布団の上でプランク30秒
習慣化のコツ
「気が向いたとき」だけでは続きません。このタイミングでやる!と決めることで習慣化が楽になります。例えば、歯磨き1回3分 × 1日3回で、約10分の運動時間を確保できます。
1日8000歩ではなく、今よりプラス10分(1000歩)、あなたも今日から小さな運動習慣を始めてみませんか?