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Vol.73 「太る年末」を回避!クリスマス・忘年会シーズンの賢いカロリーコントロール

2025.12.12

今年もクリスマス、忘年会、年末年始とイベントが目白押しです。日頃の運動不足に加えて、
ごちそうのカロリーが積み重なると、気づけばウエストがきつくなる、という事態になりがちです。
今回は、「我慢する」というストイックな方法ではなく、イベントを楽しみながらも太らないための現実的な戦略をご紹介します。

ステップ1:現状の体と冷静に向き合う

1. 見えないリスク:「現状認識の甘さ」を捨てる
「疲れているから、これくらい良いだろう」、「年始にジムに行けばなんとかなる」 。
この「なんとかなるだろう」という楽観的な思考こそが、最も危険な現状認識の甘さです。
特に30代後半から40代にかけての脂肪蓄積は、そのまま高血圧や糖尿病予備群へと直結します。
生活環境の変化に伴い肥満の割合が高くなる傾向にあります。
代謝のピークは成長期で、その後は加齢とともに低下していきますし、エネルギー収支バランスの日々のプラス分は着実に体に蓄積されていきます。
脂肪1キロを燃焼させるには、フルマラソン約3回分もの消費が必要です。
代謝が下がっている今の体では、一度増えた体重はなかなか減りません。
「その気になれば痩せられる」と思っていたとしても、今の体型が将来の健康にどんな影響を与えるか、冷静に想像してみましょう。

2. 自分の「適性体重」を知る
肥満の国際基準はBMI 25以上ですが、日本を含むアジア人は、BMI 25未満でも生活習慣病や循環器系疾患のリスクが高いことが分かっています。
就職、転職、生活環境の変化などで体格が変わった今こそ、自分にとっての適性体重(BMI 22)がどれくらいか確認しましょう。
「なぜ体重が増えたのか?」「この先どうなるか?」を冷静に考えることが、持続可能な健康づくりの第一歩です。
急激な減量は筋肉を減らし、代謝が下がればリバウンド体質を作ってしまうため、無理なく続けられる健康づくりを目指しましょう。

 

ステップ2:エネルギーの仕組みを味方につける

1. 消費の内訳
体重が増えるのは、口から摂るエネルギー摂取がエネルギー消費を上回るからです。消費エネルギーは次の3つで構成されます。
・基礎代謝: 生命維持に使う、最も大きな消費。個人差は小さく、性別・体格・年齢で決まります。
・食事誘発性熱産生(DIT): 食後の消化・吸収で発生(摂取エネルギーの約10〜30%)。タンパク質を摂ると消費が高まります。
・活動による熱産生: 運動や仕事で消費。個人差が最も大きいため、年末太り回避の鍵となります。

2. 【太るメカニズム】
余ったエネルギーは、グリコーゲン(肝臓・筋肉)として一時貯蔵されます。グリコーゲンの貯蔵限度は500g程度しかありません。
飲み放題や食べ放題は、この枠を一気に超えてしまいます。使いきれなかった残りのエネルギーは、すべて体脂肪として蓄積されます。

 

ステップ3:イベント時の賢い戦略

年末は「活動による熱産生」を増やすチャンスが限られます。だからこそ、「食べたら消費する」を意識しましょう。

1. 夜の糖代謝をコントロールする
夜間に太りやすいのは、単に食事量だけでなく、体の機能も関係しています。
• 夜は燃費が悪い: 夜間は活動量が極端に減るため、エネルギー消費が低下します。
また、血糖値を調整するホルモンの関係で、日中よりも食べたものが脂肪として蓄積されやすくなります。
• 「食べてから動く」を習慣に: 忘年会や会食でごちそうを食べた日は、帰宅後すぐに寝落ちせず、15〜30分程度の軽い散歩やストレッチを取り入れましょう。
過剰なエネルギーを脂肪貯蔵に回る前に消費を促し、栄養素の処理で酷使される肝臓を労わることにもつながります。
発想を転換して、ご馳走は昼間にするのも良いかもしれません。

2. 食事の選び方と分量を調整する
極端な糖質制限は持続性がないため、食事はバランスを重視し、食べる順番と量でコントロールします。
• 最初に野菜・タンパク質: 食物繊維やタンパク質から食べ始め、血糖値の急上昇を抑えましょう。
• 主食は控えめに: 極端な糖質制限は不要ですが、〆のラーメンやご飯類は適量に留めます。
市販の丸餅1個で約80Kcal,切り餅2個で約240Kcalで茶碗一杯分のごはんと同じ位のカロリーです。
ごはんより楽に食べてしまえるので、食べ過ぎ注意です。
• お酒はチェイサーを: アルコールの代謝で水分が失われるため、水を飲みながらお酒を飲み過ぎないように防ぎましょう。
男性は純アルコール20g、女性はその半分が適量の目安です。

3. おせちを「ヘルシー食」に変える裏技
おせち料理は保存重視のため、塩分と糖分が特に多いのが課題です。
• 濃い味を工夫: 煮物は醤油を減らし出汁を効かせる。ゆず、お酢、ごまなどの香りのあるもので味を引き締めましょう。
• 甘味を調整: 栗きんとんや黒豆は、砂糖の代わりに天然甘味料を活用したり、スイーツと見なして食べる分だけ取り分けておくと食べ過ぎを防げます。
• 生野菜を追加: 伝統的なおせちには少ない生野菜(サラダ)や蒸し野菜を一品追加することで、食物繊維とビタミンを補い、栄養バランスを整えましょう。

4. 「だらだら食い」にメリハリをつける
お正月は、おせちをつまみながら長時間食べ続けがちです。
• 食事時間を設定: 「食事は○時まで」と決め、終わったらテーブルから料理を片付けてしまいましょう。
このメリハリが、無意識のカロリー摂取を防ぎ、胃腸と体重のコントロールに不可欠です。

5. 食べたら動いて身体を整える
生活習慣病予防のための運動量の目安は、毎日60分以上身体を動かすことです。
さらに、少し息が上がるくらいの中等度の運動を1回30分、週5日行いましょう。
ごちそうを食べる機会が増えたら、座っている時間を減らす、一駅歩くなど、活動による熱産生を増やして追加消費しておきたいですね。また、筋トレ(レジスタンス運動)で筋肉を鍛えると基礎代謝がアップし、太りにくい身体づくりにつながります。
これらの戦略で太る連鎖を断ち切り、健康で活力に満ちた新年を迎えましょう。

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