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Vol.78 自分らしく歩み続けるために 骨のメンテナンス術 「長生き」の質を問い直す時代

2026.02.27

3月1日~8日は、女性の健康週間です。
介護保険制度が始まった2000年の平均寿命は、男性77.72歳、女性84.60歳でした。
それが2024年には男性81.09歳、女性87.13歳へと着実に延び続けています。
女性は男性よりも長生きですが、介護認定率を見ると80歳を過ぎたあたりから男性を大きく上回り始めます。


「長寿ではあるものの、人の手助けが必要な期間も長い」というのが現状のようです。
これから先の人生、自分の力で動ける身体を保つための鍵を握るのは、屋台骨である「骨」です。

女性の身体と「沈黙の病」

女性の体は一生を通じて、女性ホルモン(エストロゲン)の波に影響を受けます。
エストロゲンは妊娠・出産の準備だけでなく、骨を強く保ち、動脈硬化を防ぐ役割も果たしています。
しかし、45歳〜55歳前後の閉経期にホルモン量が急激に減少すると、身体に大きな変化が現れます。
この時期を境にメタボリックシンドロームが進んだり、骨密度が急激に低下し始めたりするのです。
骨密度が低下した状態である「骨粗鬆症(こつそしょうしょう)」は、自覚症状がなく骨折するまで気づかないことも多いため、「沈黙の病」と呼ばれています。

ライフスタイルの変化と骨のリスク

現代は交通機関の発達で歩く機会が減り、買い物もネットで完結します。
畳でちゃぶ台を囲んでいた頃と違い、椅子の生活が主流になったことで、立ち座りに必要な太ももの筋肉も衰えやすくなっています。
「長寿化」と「生活様式の変化」が相まって、現代人の骨は今までと違ったリスクにさらされているのです。
転倒して手をつけば手首を、とっさに手が出なければ肩や鎖骨を、さらに動きが悪くなると太ももの付け根(大腿骨)を骨折します。
高齢になってからの骨折は、それをきっかけに要介護状態になることも少なくありません。
骨密度は、失われてから取り戻すのが難しいものです。だからこそ、健康な「今」からの対策が必要です。

食卓から骨を建てる:吸収を高める組み合わせ

骨を強くするにはカルシウムが不可欠ですが、ただ摂れば良いわけではありません。効率よく吸収させるための「組み合わせ」が重要です。
• カルシウム(材料): 乳製品、魚介類、大豆製品、小松菜などの野菜を多種類組み合わせて摂取しましょう。
• ビタミンD(運び屋): 鮭やサンマなどの魚、キノコ類に含まれ、腸でのカルシウム吸収を助けます。
• ビタミンK(接着剤): 納豆や緑黄色野菜に含まれ、カルシウムを骨にしっかりと定着させます。

カルシウムを逃さない工夫:加工食品との付き合い方

リンは食品添加物として広く使われています。加工食品などでリンを摂りすぎると、体はバランスを保とうとして骨からカルシウムを溶かし出し、血液中へ放出します。
そのカルシウムは、最終的におしっことして体外へ排泄されてしまいます。
特に添加物としてのリンは、天然の食品に含まれるものより体に吸収されやすい性質があります。
成分表示にある「リン酸塩」のほか、pH調整剤、乳化剤、かんすい、膨張剤などの名称に隠れていることもあります。
これらを完全に避けるのは難しいですが、表示をチェックしつつ、新鮮な肉や野菜をバランスよく取り入れることで、骨の貯金を守りましょう。

【和食パターン】カルシウム豊富な小松菜や大豆製品、骨ごと食べられる魚を組み合わせたメニュー
• 朝食:ごはん、小松菜と厚揚げの味噌汁、納豆(タレ少なめ)、鮭の塩焼き
• 昼食:親子丼(鶏肉、卵、玉ねぎ)、ひじきときゅうりの酢の物、牛乳
• 夕食:いわしのつみれ汁、しらす入りたまご焼き、ブロッコリーのごま和え、玄米ごはん

【洋食パターン】乳製品や魚介類を使い、加工肉(ハムやソーセージ)を避けることでリンの摂り過ぎを抑えたメニュー
• 朝食:チーズトースト(全粒粉パン)、ヨーグルト、キウイフルーツ
• 昼食:シーフードドリア(エビ・ホタテ・ホワイトソース)、小松菜のサラダ、オレンジジュース
• 夕食:タラのムニエル、ポトフ(ジャガイモ、人参、キャベツ)、スキムミルク入りのコーヒー

適切な体重維持:肥満も「やせ」もリスク

中年期の肥満も問題ですが、高齢期における「やせ」は深刻なリスクです。筋肉量と骨量は比例します。
しっかり食べて適切な体重を維持することは、転倒時のクッションにもなり、骨折から身を守ることにつながります。

骨を鍛える「衝撃」と「バランス」

骨を強くする二つ目の柱は「運動」です。骨は物理的な刺激を受けるほど強くなる性質があります。
• 骨への刺激: かかと落としや階段の上り下りなど、地面をトントンと叩くような刺激を与えましょう。少し強めの足取りで歩くウォーキングも有効です。
• 転倒予防: 要介護への入り口となる「転倒」を防ぐには、体幹とバランス感覚が必要です。片脚立ちなどの「ながら運動」で、転ばない体を作りましょう。

未来の自分へのプレゼント

人生100年時代、身体を丸ごと入れ替えることはできません。
一杯の牛乳、10分の運動の積み重ねが、あなたの骨を強化します。
今日明日で結果は出なくとも、細胞が入れ替わる数ヶ月後、数年後、あなたの骨は必ず今の努力に応えてくれます。
将来の自分を支えるのは、今のあなたの習慣という「プレゼント」なのです。

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