Vol.79 その鼻水、放置して大丈夫?仕事のパフォーマンスを下げる「隠れ副鼻腔炎」のリスク
2026.03.13アレルギーの季節、「いつもの花粉症だから」と、鼻詰まりを我慢して仕事をしていませんか?
今年の杉花粉は例年以上の予報。しかし、その鼻の不快感、実はアレルギーだけではないかもしれません。
「ただのアレルギー」と思い込む危うさ
アレルギー性鼻炎は、くしゃみ、サラサラした鼻水、鼻詰まりが特徴です。
スギ花粉が有名ですが、ヒノキやイネ、ダニアレルギーなど1年中症状が出るアレルギー性鼻炎もあります。
花粉が飛ぶシーズンを乗り切れば大丈夫と、思うかもしれません。
しかし医学的な見解では、アレルギーは「副鼻腔炎」を悪化・長期化させる大きな要因であることが分かっています。
副鼻腔って知っていますか?
鼻の奥には4組の空洞(上顎洞、前頭洞、篩骨洞、蝶形骨洞)があります。これを「副鼻腔」といいます。

副鼻腔が何のためにあるのか、わかっていません。
空洞になっているから顔の骨の軽量化になっているとか、転んだ時に脳や目を守るクッションになるといったことが言われていますが、明らかではありません。
副鼻腔は小さな穴を通じて、鼻とつながっています。
その穴が、アレルギーで粘膜が腫れると塞がってしまい、中で炎症が起きて膿が溜まることがあります。これが「副鼻腔炎」で、俗に言う「蓄膿症」です。
副鼻腔炎が重症化すると、鼻の周囲にある重要な組織、眼や脳、あるいは骨に深刻な合併症を引き起こす可能性があります。
重症化すると、視力障害や意識障害を招く場合もあります。
副鼻腔炎を予防するには
副鼻腔炎(鼻副鼻腔炎)の予防のために、日常生活で注意したいポイントをまとめます。
1. 鼻をすすらない
鼻汁をためないために、適切に鼻を擤(か)むことです。
アレルギーの場合は、水様の鼻汁ですが、感染症があるとドロドロした色のついた鼻汁になります。
炎症をおこしている部位に鼻汁が貯まると、さらに炎症が強くなっていきます。
鼻をかむ場合、ドロドロしていると勢いよく強くかみたくなりますが、これはNGです。
鼻と耳は細い管でつながっていて、強い圧がかかると、鼻汁が耳に逆流してしまうからです。
耳が痛くなったり、鼓膜を傷つけたり、中耳炎になることもあります。
何度かに分けてもよいので、静かにかみましょう。

スッキリしたい場合は、鼻洗浄(鼻うがい)という方法もあります。
耳鼻科で処置としてやってもらう場合もあるかもしれません。
2. 喫煙や粉じんなど、環境面への配慮
鼻から吸い込む空気も配慮しましょう。たばこの煙や粉じんは、膜を刺激し炎症を悪化させます。
喫煙をする方は、この機会に禁煙にチャレンジするのがお勧めです。
粉じんなど、避ける事が出来ない場合は、マスクを着用しましょう。
3. バランスの良い食事
歴史的に日本で慢性鼻副鼻腔炎が減少した要因の一つとして、タンパク質や脂肪の摂取量増加などの栄養状態の改善が挙げられています。
子供の頃の有病率が下がったことで、大人になってから再発する人が減ったと考えられています。
粘膜に良い食べ物として、ビタミン類や良質な油がお勧めです。
そして鼻汁が多い時は水分がいつもよりも減りますから、多めに水分補給しましょう。

納豆:粘膜の修復を助けるビタミンB2が豊富です。
サバ・イワシなどの青魚:オメガ3脂肪酸が多く、適切に摂取することで免疫を高め、アレルギー反応を抑える働きがあります。「サバ缶」でも十分な栄養が摂れます。
卵:ビタミンAが豊富です。「完全栄養食」と呼ばれています。
にんじん:体内でビタミンAに変わるβ-カロテンが豊富で、「油と一緒に摂る」と吸収率が上がります。
キウイフルーツ:ビタミンCが豊富です。
4. 原因疾患の予防と早期治療
副鼻腔炎の原因となりうる病気を、早めに対処することが予防につながります。
- 風邪(感冒)の予防: 急性鼻副鼻腔炎の多くは、風邪(ウイルス感染)がきっかけです。弱ったところに二次感染(細菌感染)に移行します。
手洗いやうがいなどの一般的な感染予防が重要です。 - 歯科疾患の管理: 虫歯や歯周病などが原因で起こる「副鼻腔炎」もあります。
日頃から歯科疾患を適切に治療しておきましょう。
「副鼻腔炎になってしまった」という場合は、耳鼻科を受診し、診察・治療を受けましょう。
症状が改善しない場合も、自己判断せずに専門医・耳鼻科を受診することをお勧めします。
頭部・顔の炎症は集中力が低下します。
頬やおでこ、目の奥などの痛みや違和感がある場合や、鼻汁の色や性状が変わった場合は早めに受診しましょう。
早めのメンテナンスは、ビジネスにおける最高のリスクヘッジです。
参考:副鼻腔炎診療の手引き



