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vol.28 みなさん、メタボ気になっていませんか?(生活編)

2023.10.27

久しぶりに体重を計測すると、びっくりするくらい増えていたという経験はありませんか?
2022年頃、「測るだけダイエット」という方法が話題になりました。聞いたことがある方も多いかと思います。

これは、「自己評価管理法」という生活習慣病の治療法が元になっていて、肥満を伴う糖尿病や高血圧をもつ方に対して、内臓脂肪を減らすために考案されました。
「自己評価管理法」でやることは、毎日自分の体重を計り、その変化をグラフにすることです。この作業を繰り返すうちに、体重が増えた要因に気が付き、肥満に繋がる食生活や生活習慣の見直し・改善が自然にできるようになる、というものです。行動を把握すると、効率よく対処ができるので、改善への近道になります。
では、体重をいつ測ったらいいの?体重以外に何を記録したら効果的なの?そんな疑問を解決する、体重変動の秘密をお話します。
                                                          

正しい体重計測って?~おすすめの測定時間~

私たちの体重や体脂肪率は、1日の中でも大きく変動するため、決まった時間に同じ条件で測ることが大切です。体重計はデジタルのものが良く、最近では体脂肪も同時に測定できる器械が増えています。
体脂肪率は、体内に微量の電流をながして測ります。水分や筋肉は電気を通しますが、脂肪はほとんど電気を通さないという特性を利用したものです。体内の水分量によって体脂肪の測定値が変わるため、いつも同じ条件で測ることが大切なのです。

体内の水分変化が大きいタイミング
①食事・水分を摂取したとき…食事のあと2時間以内、大量の水分を摂取した直後など
②血行状態の変化…入浴・運動の直後、発熱時など
③体位の変化…起床後すぐ、長時間座っている場合など

体内の水分変化の少ない時間帯は、「朝起きて排尿(排便)後」、朝が忙しい方は「昼食前、夕食前、入浴前、就寝前」です。いつが正確、というより、続けて測定できる時間帯を選ぶことがポイント。朝なら朝、夜なら夜と時間を決めると、変化がみえるのでおすすめです。                                                   
                                                         

太ってくると食欲がコントロールできなくなる!? ~レプチンを味方につけよう~

体重が増えた要因を探っていくと、食欲が抑えられずにお腹がいっぱいでもつい食べてしまうことってありますよね。「食べてしまうのは自分に根性が足りないから…」と思う必要はありません。
それは、食欲に関わるホルモンの「レプチン」の影響です。

レプチンとは、満腹になったことを脳に伝えるホルモンです。脂肪細胞から分泌されて、脳の視床下部にある摂食中枢を刺激し、食べるのをやめてエネルギーを消費するように指令を出します。体脂肪の多い方は、レプチンが増えすぎて飽和状態となり、効きが悪くなっています。
また、短期間に急激に痩せると、レプチンが極端に減少するため、食欲が抑えられなくなります。1日50~100g程度の減量を目標にして、脂肪が減ってくるとレプチンが本来の働きを取り戻し、リバウンドを起こしにくいことがわかっています。             
                                                     

体重グラフはどんな形? ~言い訳欄を作ってみよう~

体重を記録してできたグラフの形にも、体重変動の原因を探るヒントがあります。
体重は、夕食後に増えますが、朝には下がるため、ジグザグのグラフになることが多いです。しかし、夕と朝の体重差が少なくまっすぐな線になる場合は、夕食の量が多いか、時間が遅いかのどちらかが考えられます。
そこで、私のおすすめは、「言い訳欄」を作って、体重が増えた日の理由を記載しておくことです。理由が分かれば、対策も思いつきます。罪悪感を持つ必要はありません!後から振り返りができて、楽しい日記になります。
他にも、体温や排便も記載してみましょう。食べた物を消化・吸収・運搬するときにはエネルギーを消費します。夜遅い時間に食べると、この消費するエネルギーは少なくなることが分かっています。同じカロリーの食事でも食べる時間が違うとその後の消費エネルギーが減り、余った分は身につくので太りやすくなります。
排便の有無も体重に関係します。生活リズムを整えることはとても大切ですね。                                                   

                                                          

測るだけダイエットを実践した方にインタビューすると、無理して頑張ったわけではなく、「測定することで無意識のうちに生活改善をしている」そうです。旅行などで測定を止めてしまうと、なし崩しになるという感想もありました。大事なのは「継続すること」です!
皆さんも、今日から始めてみませんか?

 

text/管理栄養士 岩田 清香

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