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vol.39 春の紫外線の影響について

2024.05.24

春から夏へと季節が変わり日差しが強くなってきました。みなさん、紫外線対策はしていますか?「まだ夏じゃないから対策しなくていいや」、「紫外線って夏だけでしょ」と思っていませんか?今回は、夏だけと思いがちな紫外線についてお伝えします。
                                                          

紫外線の種類と強さ

紫外線は、3種類に分けられます。

紫外線名 内容
UV-A(A紫外線) 別名、生活紫外線とも呼ばれており、じわじわと肌の深部まで到達します。UV-Bほど有害ではありませんが、長時間浴びた場合の健康影響が懸念されています。肌を黒くするだけでなく、肌のハリや弾力のもとになっている線維芽細胞も破壊します。
UV-B(B紫外線) ほとんどは大気層(オゾンなど)で吸収されますが、一部は地表へ到達し、皮膚や眼に有害です。日焼けや、皮膚がんの原因となり、別名、レジャー紫外線と呼ばれています。真夏に最も量が多くなり、主に肌の表面にダメージを与えるため、シミやそばかすの原因になります。
UV-C(C紫外線) 大気層(オゾンなど)で吸収され、地表には到達しません。

紫外線の強さは、時刻や季節、さらに天候、オゾン層によって大きく変わります。太陽が頭上にくるほど強い紫外線が届くため、1日のうちでは正午ごろに最も強くなります。

日本の気象庁は3か所(札幌、つくば、那覇)でオゾン全量を観測するとともに、つくばではUV-Bの観測を行っています。7月と8月が多く、次いで4月~6月の春もUV-Bが多いです。夏だけではなく、春先の紫外線は多いため、注意が必要です。
                                                          

紫外線による人の健康への影響は?

紫外線と関係している病気には、急性傷害と慢性傷害があります。
急性…日焼け、紫外線角膜炎、免疫機能低下
慢性…しわ、シミ、良性腫瘍、皮膚がん、白内障、翼状片
                                                          

紫外線の「眼」への影響

紫外線の影響として、日焼けやしわ、シミなど皮膚的なイメージはありますが、意外と知らない紫外線による「眼」への影響を、お話します。

<紫外線角膜炎>
強い紫外線に暴露したときに見られる急性の角膜炎症で、充血、異物感、涙が出てくる、ひどい場合は強い痛みを感じます。昼間に紫外線に暴露した場合、夜から深夜あるいは翌朝にかけて発症し、大部分は24~48時間で自然治癒します。

<白内障>
白内障はレンズ(水晶体)が濁るため、網膜まで光が届かなくなり視力が低下する病気です。眼科疾患の中で最も多い病気のひとつです。白内障は多数の種類がありますが、日本人に最も多いのは紫外線との関係が知られている「皮質白内障」です。紫外線(UV-B)の他に、白内障の危険因子には、加齢、女性、喫煙、糖尿病、強度近視、ステロイドなどの薬物が考えられています。治療は、混濁した水晶体を眼内レンズと置換する手術などが行われます。

<翼状片>
白目の組織が増殖し、翼状に黒目に食い込んでしまう病気で、瞳孔近くまで進展すると視力が低下します。紫外線暴露を含めた外的刺激が影響していると考えられ、戸外での活動時間が長い人に多くみられます。30歳代以降に発症し、進行は早くありません。治療は外科的な切除を行いますが、2~7%の人は再発し再手術が必要になります。
                                                          

紫外線対策のポイント

日焼け止めを適切に使いましょう
<表示>
SPF:UV-Bを防ぐ指標
PA:UV-Aを防ぐ指標
<選択>
日常生活では、SPFやPAの数値は高くない日焼け止めで十分といわれています。日焼け止めと表示されていなくても、日中用の乳液やクリームなどにSPFやPAが表示されていれば有効です。アウトドアの時は、高い効果を持つものを使用しましょう。また、海やプールなど水に入る場合は、耐水性の高い日焼け止めを使いましょう。
<塗り方>
日焼け止めは、戸外に出る前に塗りましょう。
顔の場合・・・手のひらに1円玉サイズを出して、2回塗ります。手のひらに出した日焼け止めを顔の数か所に分けて、伸ばしていきます。
腕や足の場合・・・表と裏に1本の直線を描くように出して、手のひらで均一にムラがないように伸ばしていきます。

鼻の頭や肩、背中の上部などは、太陽光にさらされやすい所になるので、念入りに塗っておきましょう。また、汗や、タオルなどで拭くことによって日焼け止めは落ちてしまいます。日焼け止めを塗ったとしても、2、3時間おきに日焼け止めを塗りなおすことが推奨されています。化粧落としを使って、1日の汚れを落とすように、日焼け止めも落としましょう。

サングラスをかけましょう
紫外線防止効果のあるサングラスや眼鏡を適切に使用すると、眼の紫外線暴露を最大90%カットすることができます。サングラスや眼鏡を使用する場合は、紫外線防止効果のはっきり示されたものを選びましょう。レンズが小さいものや顔の骨格に合わないものでは、正面以外からの紫外線には十分な防止効果を期待できません。

                                                                                                          いかがでしたでしょうか?今回は紫外線についてと紫外線対策についてお伝えしました。紫外線対策には日焼け止めやサングラスの他に、日傘や帽子などがあります。今年は今から、紫外線対策を行ってみてください。

                                                                                                          参考資料:環境省 紫外線環境保護マニュアル2020 (2020年3月改定)
https://www.env.go.jp/chemi/matsigaisen2020/matsigaisen2020.pdf

 

text/保健師 園田  宙代

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