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vol.15 加熱式たばこの健康への影響を知っていますか?

2023.04.13

ウェルクルの本社がある大阪・淀屋橋には、大阪市路上喫煙の防止に関する条例の「路上喫煙禁止エリア」があります。通勤時に歩いていると、路上喫煙禁止エリアにもかかわらず、加熱式たばこなどのたばこを手にした人をよく見かけます。
加熱式たばこは、紙巻たばこと違って、加熱しても煙が出ないため臭いが少なく、害が少ないとアピールされています。日本では2013年12月から販売が開始され、2016年ごろから急速に普及してきました。


日本人の喫煙状況

2019年の国民健康・栄養調査結果では、「現在、習慣的に喫煙している人」の割合は16.7%でした。そのうち、男性は27.1%、女性は7.6%と、男性の喫煙者が多い傾向でした。
たばこの種類については、「男女ともに紙巻たばこを使用している人」は平均約75%以上を占め、加熱式たばこは約25%以上の人が使用している結果でした。
また、たばこ製品の組合せ状況については、男女関わらず、若い年代で加熱式たばこを使用している割合が多い傾向でした。

         

たばこのパッケージに注目!

昭和45年、大阪で万国博覧会が開催された年に、たばこのパッケージに「吸いすぎ注意」の表示が印刷されるようになりました。
平成に入ると、「あなたの健康を損なうおそれがありますので吸いすぎには注意しましょう。」の表示が印刷されています。

加熱式たばこは、専用の道具を使って、たばこの葉やその加工品を電気で加熱をして、発生する煙(エアロゾル)を吸うものです。灰が出でない、煙の臭いが少ないなどと宣伝されているため、これまでのたばこ製品よりも良いイメージを持っている方は多いかもしれません。
しかし、加熱式たばこの煙には、ニコチンや発がん性物質などの有害な物質が含まれており、パッケージにも以下の害があるというメッセージが書かれています。

「加熱式たばこの煙(蒸気)は、発がん性物質や、依存性のあるニコチンが含まれるなど、 あなたの健康への悪影響が否定できません。」「加熱式たばこの煙(蒸気)は、周りの人の健康への悪影響が否定できません。健康増進法で禁じられている場所では喫煙できません。」

 

加熱式タバコは安全なのか?

たばこの煙には、安全なレベルというものがありません。たとえ煙が蒸気だとしても、加熱式たばこを吸う人とその周囲にいる加熱式たばこから出た煙や有害物質を吸った人には、健康に悪影響を及ぼす可能性は否定できないと考えられています。

現時点では、紙巻きたばこに比べ加熱式たばこは健康影響が少ないかどうかは、明らかになっていません。それは加熱式たばこのパッケージのメッセージからも、言えることです。

たばこを加熱すると、煙や有害物質は空気中に広がります。たばこや口から吐き出した煙や物質も周囲に拡散します。また、たばこを吸い終わった後に周囲に残っているたばこ由来の化学物質は長く残って留まるため、それを吸うことによる三次喫煙(残留受動喫煙)による健康への影響も懸念されています。完全に分煙できるものでは無いと思います。

 

2020年の診療報酬改定において、加熱式たばこの使用者も健康保険による禁煙治療の対象として正式に認められました。
加熱式たばこも、これまでのたばこと吸う方法が違っても、たばこはたばこ。喫煙に適量はないのです。

 

text/保健師 山本浩子

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